さて、前回は枝葉の話をしましたが、今回は、いきなりですが根幹の話をしましょう。
実際にコピーを書く際には、幹も枝も葉もすべて大切になりますので、細部にまで十分な心配りをお願いします。お客様のために認(したた)めるラブレターなのですから、細心の気遣いが重要となります。
前回「コピーは、商品の単純な説明ではない」と申しましたが、これから、その理由について詳しくお話していこうと思います。
テーマは、
「言葉で商品を飾る」です。商品の魅力、そして売り手の思いを人に伝えるのに、ありふれた言葉で記してはいけません。ありふれた表現では、商品について何の印象も残りません。コピーはラブレターである以上に、何としても相手の気に留めてもらわなければならないのです。
昔、
「君はバラより美しい」という歌がありましたが、好きな女性をバラと比較するからこそ、ラブソングとしての価値が出ます。これが、隣の吉田さんより美しいぐらいではホメたことにならないし、そう言われた相手も素直に喜べないでしょう。
コピーもこれと同じです。
日常にありふれていない特別な表現を用いることで、読む人の印象に残るのです。
もう10年以上も前になりますが、JRの新幹線のコピーで
「○○エクスプレス」というのがありました。
そう、○○はガラスの靴をはいて、カボチャの馬車に乗ったお姫様です。
遠距離恋愛をする恋人たちの真夜中の別離を、美しく描いたコマーシャルは、今も記憶に鮮明に残っているのではないでしょうか。まさに、コピーの力と言えましょう。
もし、コピーの力を借りず、ありのまま表現するなら、
「新幹線、深夜便増発」となります。
コピーは説明ではないと言いましたが、上記のように表現すると一目で分かると思います。ただの情報の伝達です。
その時は「へぇ〜、便利になるんだな」くらいの印象は受けても、10年後の記憶には残るはずもありません。
深夜便が増発された新幹線の利用者を考えた場合、真のターゲットは、東京出張のサラリーマン、あるいは宿泊費節約を喜ぶ会社の経理担当あたりでしょうか。しかし、このコピーは、そんな実利的な用途よりイメージを大事にしています。ターゲットを意図的に外してみることで、本来の利用者はもちろん、それ以上の顧客層に商品イメージの浸透が図れるのです。
商品の売り方、提案の仕方には、いろいろな表現が伴います。
まずは、日常的な表現ではなく、目新しく美しい新鮮な言葉で語ってください。
コピーは、
商品を飾る一輪のバラなのです。
それでは、コピーに関して、以上の認識を踏まえた上で、
次回からは、もう少し具体的にご説明したいと思います。
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